最初に

Webサイトやアプリケーションを開発したことがある人なら、デザインの重要性がよくわかると思う。ちゃんとデザインが考えられていると、見た時の印象がぐっと良くなるし、情報が整理整頓されていて、使いやすさが高まる。
 
ちゃんとデザインが考えられている場合、その恩恵を受けるのは、Webサイトやアプリケーションを使うユーザーだ。ユーザーが満足してくれれば、結果として開発者や運営者にも恩恵がもたらされる。
 
同じことが、アニメーションや動画にも当てはまる。
 
アニメーションでデザインが重要というのはまだしも、実写映像を使った動画でもデザインが重要って本当? とあなたは思ったかもしれない。
 
アニメーションでも動画でも、デザインが同じく重要だというのは本当だ。
 
というわけで、今回のブログ投稿では、デザインが、アニメーションや動画でも重要な理由について、あれこれ書いていきたい。また、デザインがちゃんと考えられているかどうか判断するのに、アニメーションや動画のどこを見れば良いか、その秘訣についても書くつもりだ。
 
僕自身、デザインについては勉強中の身であり、ウゴモーションのデザイン力はまだまだ優秀ではない。それを考慮した上で、それでも書いておきたい、1人でも多くの人に知ってほしいと思ったのには大きな理由がある。
 
それは、これからアニメーションや動画を活用したいと思っている人たちに、デザインをちゃんと考えてくれる制作会社やクリエイターの重要性を理解してほしいからだ。
 
重要性を理解していれば、デザインを考えていないところに、制作を依頼したいとは思わなくなるだろう。結果として、アニメーションや動画を観る人たちが恩恵を得られるし、制作を依頼したあなたにも恩恵が巡ってくるだろう。

トーン&マナーの重要性を知れば、アニメーションや動画でも、デザインが重要なことがわかる!

あなたは、トーン&マナーという言葉を知っているだろうか?
 
トーン&マナーとは、デザイン業界の用語で、デザインや表現で統一感を持たせることを言う。
 
例えば、あなたがエレガントな大人の女性をターゲットとした服飾ブランドを運営しているとしよう。部下の担当者が、実店舗、Webサイト、広告の中心となる色彩を、実店舗をワインレッド、Webサイトをスカイブルー、広告をグリーンと決めたとしたら、あなたはどう感じるだろう?
 
これでは、実店舗、Webサイト、広告でバラバラなイメージを伝えることになってしまう。ターゲットの女性たちに1つのブランドとして認識してもらうには、色彩、デザイン、キャッチコピーなどの表現に統一感が必要だ! 
 
そう感じたなら、あなたはトーン&マナーという言葉を知らなくても、その概念をちゃんと理解していることになる。
 
世界中にあるブランドの中で、あなたが大きな価値を感じているものは、そのすべてがトーン&マナーを決めることで、ブランドの表現に統一感を持たせている。同時に、表現に統一感を持たせることで、ブランド価値を築いている。
 
そこで質問。
 
アニメーションや動画にも、トーン&マナーが必要だろうか?
 
あなたがブランド価値を築きたいと考えるなら、トーン&マナーが絶対に必要だ。
 
デザインというと、多くの人が独創的なイラストを描く人や、美しいデザインができる人という印象を持ちがちだ。実際のところ、僕自身もデザインについて勉強しはじめるまでは、そんなイメージしか持っていなかった。
 
勉強してわかったのは、デザインの第一歩は、トーン&マナーだということだ。独創的なイラストや美しいデザインは、その向こうにあるもので、デザインするすべての人に必要な技能ではない。
 
あなたがエレガントな大人の女性をターゲットとした服飾ブランドを運営していて、動画広告を制作するとしよう。もし制作会社がトーン&マナーを理解できず、内容はおもしろいんだけど、甘ったるい可愛すぎる表現の動画を完成させてしまったら、あなたは試写室で頭を抱えることになる。
 
アニメーションや動画でもデザインが重要なのは、制作する時にトーン&マナーを考える必要があるからだ。
 
お客さんのブランドや商品がこうで、Webサイトがこうなっているから、アニメーションの色彩やデザインはこんな感じにしなければならない。お客さんのトーン&マナーを考えると、動画でこんな表現は絶対にできない…などなど。
 
あなたも、アニメーションや動画で、デザインが重要な理由がわかったのではないかと思う。

アニメーションや動画に登場する文字や文章を見るだけで、デザインされているか分かるって本当?

デザインの重要性は、アニメーション制作でも動画制作でも同じ! デザインが、アニメーションや動画でも重要な理由?のビルボード画像02

 
結論から書くと、本当だ。
 
アニメーションや動画に登場する文字や文章を見るだけで、デザインされているか分かるのには理由がある。アニメーションや動画に文字や文章を登場させる場合、制作アプリケーションで文字や文章をタイピングする。その時に、デザインを考えない人だと、読みやすいように文字色を調節して、文章が間違っていないければ、それで満足してしまう。
 
ところが、デザインをちゃんと考える人は、アニメーションや動画の表現にあったフォントを選ぶところから、作業がはじまる。文字の線が太いほうが良いのか、細いほうが良いのか? 読みやすいほうが良いのか、デザイン重視か? 歴史を感じさせるほうが良いのか、新しさを感じるほうが良いか? フォントによって表情がそれぞれ違うので、内容や表見に合ったものを見つけようとする。
 
フォントが決まると、続いて文字間隔を調整しはじめる。というのも、欧文であれ、日本語であれ、文字はそれぞれ幅が違っている。なもんで、普通に文章をタイピングするだけでは、ほとんどのフォントで文字間隔がバラバラになってしまう。そこで、全体のバランスが揃うように、文字間隔の調整をしていく。
 
要するに、デザインをちゃんと考える人は、アニメーションや動画に登場する文字や文章も、大切な表現の一部だと考えている。だから、フォント選びや、文字間隔、その位置まであれこれ考えて、調整している。
 
だから、デザインされていない文字や文章というのは、文字間隔のバランスを見ればすぐにわかる。ある部分だけ、文字間隔が広すぎたり狭すぎたりして、明らかにバランスが崩れているからだ。
 
ちなみに、Webサイトやブログの文章などは、文字間隔を全体的にしか調整できない。なので、例えばこのブログの文章も、漢字同士の間隔が狭くて、句読点の後ろの間隔がすごく広くなっている。
 
もし、あなたがデザインが分かっている制作会社やクリエイターを見つけようとするなら、彼らの過去の作品を見て、そこに登場する文字や文章に注目すればいい。制作体制の中に、どれだけデザインの重要性や必要性が浸透しているか分かるから。

ブランド力を高めるには、アニメーションや動画の表現だけでなく、内容にもデザイン発想が必要?

デザインの重要な役割のひとつに、情報を整理整頓して、伝わりやすい内容にするという行為がある。
 
それってデザインなの?と疑問を持つかもしれないけど、すごく大切なデザインの仕事だ。
 
例えば、あなたがポスターを制作するデザイナーだったとしよう。あるお客さんから、イベントのポスターを制作してほしいと頼まれる。イベントの情報として、イベントのタイトル、キャッチコピー、開催日時、イベント内容の説明文、主催者の情報、参加料金、プレゼント企画の応募方法、イベント会場、注意事項、会場までの地図、協賛企業の紹介などがあったとする。
 
あなたなら、どうやってポスターをデザインするだろう?
 
デザイナーはこういう時、お客さんの話や要望を聞きながら、もっとも重要な情報はどれで、次に重要なのはどれだろう? というふうに情報に優先順位をつけていく。そして、優先順位の高い情報が、ポスターを見る人に確実に認識されて、伝わりやすい内容を考えて、表現やデザインを決めていく。
 
なぜ、ブランド力を高めるには、アニメーションや動画の表現だけでなく、内容にもデザイン発想が必要なのか?
 
ここまで読んだあなたなら、もうお分かりだろう。
 
例えば、あなたのブランドが、春のキャンペーンを紹介するWebサイト用の動画を制作することになったとする。制作する人がデザインを考えられる人なら、あなたと相談しながらキャンペーン情報を洗い出し、ターゲットのお客さんが必要とする情報を加えて、情報の優先順位を決めてから、内容を考えるだろう。
 
内容までちゃんとデザインされていれば、その動画はターゲットとなるお客さんにとって有益なものになるし、めぐりめぐってあなたのブランドにも価値をもたらす。
 
これが、ブランド力を高めるために、アニメーションや動画の表現だけでなく、内容にもデザイン発想が必要な理由だ。

まとめ

ここまで読んだ人は、アニメーションや動画でも、デザインが重要な理由がわかったろうと思う。
 
勘の鋭い人なら、デザインをちゃんと考えるって、実はすごく手間暇のかかる作業なんだなと感じたかもしれない。
 
僕がまだまだデザインを勉強中ということもあるのだろうけど、実際のところ、アニメーション制作や動画制作で、デザインをちゃんと考えるというのは、けっこう大変だ。それに、この投稿で書いたような理想的な仕事ができるところまで、まだウゴモーションは到達していない。
 
それでも、この投稿で書いたようなアニメーション制作や動画制作ができるようになるのが、僕がウゴモーションで目指すところだ。
 
というわけで、あなたがアニメーションや動画を制作してもらう時が来たら、ぜひこの投稿を参考にしてほしい。せっかく制作してもらうなら、ちゃんと考えられたものを制作してほしいと思うのは、きっと誰でも同じだから。
 
最後に、良い投稿だなと感じたら、ぜひ下のボタンのどれかをクリックして、投稿をシェアしてもらえると嬉しい。
 
 

2016.03.19 ウゴモーション : 小野直人

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