クライアントの情報
企業・チーム
- 株式会社モノフィールド
- http://monofield.co.jp
- 株式会社モノフィールドは、大阪で活動していた2人の畳職人が、日本製の畳を未来へ継承していくために起こした会社です。和室に畳を入れる本業だけでなく、畳を使った新製品の開発と販売も行なっています。また、畳の表面素材となるイグサの国内栽培を未来へ継承していくために、イグサを使った製品の開発と販売も行っています。
商品・サービス
- いぐさ野菜
- http://monofield.co.jp/lp/
- いぐさ野菜は、畳の表面素材として使われているイグサを、乾燥させて粉末状にしたものです。イグサは日本では古くから薬草として知られていて、44種類もの栄養素が含まれていて、特に食物繊維が豊富です。いぐさ野菜は、熊本県八代市で栽培されたイグサを使っていて、有機栽培されているので、健康食品に最適です。他の健康食品と比べて、味がまろやかで、さまざまな料理に合わせることができます。
クライアントの要望
いぐさ野菜を販売しはじめた最大の理由は、日本国内でのイグサの栽培が減少しつづけていて、このままでは日本国内でイグサが栽培されなくなってしまう可能性があるからです。それを少しでも変えるために、いぐさ野菜を販売して、国内でのイグサ栽培を増やしていけたらと願っています。
いぐさ野菜には、44種類もの栄養素が含まれていて、栄養不足になりがちな働く女性や、子供たちに栄養を摂らせたいお母さんにとって、最適な健康食品だと考えています。
クライアントの課題
最近、畳を使った部屋が少なくなってきたため、いぐさ(藺草)が畳の表面素材であることを知らない人が多い。また、いぐさが古くから薬草として知られていて、健康的な食品でもあることも、まったく知られていない。
プラスして、国内で流通している畳の多くが中国からの輸入品になり、国内でいぐさを栽培している農家が減っている。販売元の株式会社モノフィールドでは、その現状に対しての危機感も強かった。
課題克服の考え方
アニメーションでいぐさのことを知ってもらい、いぐさ野菜のことを理解してもらうためには、観る人の好奇心を高めて、できるだけ長く動画を観てもらう必要がある。そこで、単なるアピールや紹介ではなく、最初に謎を出すことによって、観る人の好奇心を高める内容を考えた。
いぐさについて調べると、古くから日本人との関わりが深く、つい最近まで畳として生活に欠かせない生活用品だった。そこで、日本人との歴史や関わりをヒントにすることで、いぐさが、実は多くの日本人にとって関わりのある植物であると認識してもらおうと考えた。
アニメーションのコンセプト
いぐさがどんな植物なのか理解してもらい、いぐさ野菜を知ってもらう! |
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アニメーションのアプローチ
最初に謎を提示することで、好奇心を持ってもらいつつ、日本人の生活や歴史に関連させることで、いぐさが身近なものだと感じてもらう。 |
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アニメーションの絵コンテ
いぐさ野菜 プロモーション動画 01の絵コンテは、ナレーションの内容に合わせて、ノートに描いていった。特に大切にしたのが、視聴者にとって分かりやすい映像なり表現なりにすることだった。そうするために、ナレーションが語る内容に焦点をしぼって、キャラクターやイラストを配置して動きを考えた。また、数十枚のカードに描いた絵コンテをテーブルの上に並べて、順序を変えたりしながら、分かりやすいかどうか、他の表現ができないかなどを検討していった。
アニメーションのキャラクター
いぐさ野菜 プロモーション動画 01に登場するキャラクターは、多彩な表情や動きができるように、顔を丸型にした。また、男性、女性、子供、成人など、キャラクターの違いをはっきりさせるために、目鼻の位置、髪型、服装などにこだわった。デザインしたキャラクターは、絵コンテに基づいてアニメーションが必要なパーツを独立させていて、簡単に動かせるように設計してある。1つのアニメーション制作で、ここまで多くのキャラクターをデザインするのも、設計するのも、今回が初めての経験でかなり大変だった。
アニメーションで使用する写真
アニメーションで使用する写真は、絵コンテから必要な写真のカット数を計算して、友人が運営している久岡写真事務所に依頼した。どんな野菜がどれぐらい必要で、アニメーションの中でどのように配置するかは、すでにAfter Effectsでデザイン & レイアウトしたものがあったので、そこから指示書を作った。納品された写真は、すべてが完成度が高く、リテイクなどをお願いすることはなかった。
アニメーションのデザイン & レイアウト
いぐさ野菜 プロモーション動画 01のデザイン & レイアウトで大切にしたのは、いぐさ野菜という製品が持っている特徴を、アニメーションをぱっと見た瞬間に感じられるようにすることだった。いぐさ野菜が持っている特徴は、体に優しいところ成分が豊富なところ、日本の伝統に根ざした植物から生まれた食品であることである。なので、それらが感じてもらえるように、アニメーションの背景には、haconiwa DESIGN STOREで販売されている水彩コレクションを購入して使用した。
今回のアニメーションでは、植物としてのいぐさと、製品であるいぐさ野菜を、緑色のストライプで象徴的に表現するようにした。同時に、緑色のストライプが目立つように、登場するキャラクター、イラストなどの色彩を淡い感じのトーンでまとめている。レイアウトについても、各場面でもっとも重要な情報に目が行くように、色彩、大きさ、配置場所などをあれこれ工夫している。
アニメーションの制作
今回のアニメーション制作では、表現したいことが主役になるように動きを組み立てている。その結果、ユニークな動きは少なくて、シンプルで効果的な動きが多くなっている。キャラクターについては、活き活きとした躍動感がとても重要だったので、ぱっと見ただけではわからないような髪や眉毛など、細かいパーツにもさまざまな動きを加えている。
また、今回のアニメーション制作では、1つ1つの場面の秒数が短いものが多かったので、場面が変わる場面転換を、可能なかぎりシンプルなものにしている。場面展開に凝った動きや表現を加えると、内容を充分に見てもらうのが時間が少なくなってしまうので、すばやくシンプルに場面転換することを優先した。そのぶん、内容に応じた動きや表現をすることができて、バラエティー豊かな動きや表現にあふれたアニメーションを完成させることができた。
アニメーションのスケジュール
いぐさ野菜 プロモーション動画 01では、他のアニメーションの制作と並行して、制作を進めていくことになった。依頼を受けた時点で、いぐさ野菜を販売するWebサイトなどの仕組みが構築されていなかったので、それらを構築したりする作業と並行して、アニメーションの制作を進めていくこととなった。また、どんな人が商品のターゲットとなるか、なにがアピールしたい魅力なのかなども決まっていなかったので、出発点から相談しながらリサーチしながら企画を考えていった。
スケジュールの日程
- 2017年1〜2月 = リサーチ、コンセプト & アプローチ
- 2017年3月 = ナレーション内容の制作
- 2017年4〜6月 = 絵コンテ、キャラクター、デザイン & レイアウト
- 2017年7〜8月 = アニメーションの制作
- 2017年9月 = 納品、ランディングページでの公開
アニメーションの成果
完成したいぐさ野菜 プロモーション動画 01は、まず商品を販売するランディングページに設置された。また、株式会社ものフィールドさんが参加するイベントなどでも常に上映されていて、アニメーションを観た人たちからの評判は上々であるとの報告を受けている。
企画当初の予定では、このアニメーションを使った動画広告なども配信する予定だったのだけれど、予算や方針の変更などがあり、現時点(2018年1月)では動画広告は行われていない。YouTubeだけでなく、Facebook、InstagramなどのSNSでも動画広告を配信できるように、正方形バージョンなども制作していたので、動画広告が行われていないのが残念である。
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