この街のクリエイター博覧会2025 PV

クライアント
CLIENT

SINWA GRAPHIC / 外賀 寛子

外賀さんは、大阪でとても活躍しているグラフィックデザイナーであり、アートディレクターです。UGO MOTIONとは、大阪にある「クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック(通称 Mebic)」という組織の活動で知り合いました。外賀さんは、JAGDA(日本グラフィックデザイン協会)会員であり、優れた広告デザインをいくつも制作しています。私が、たいへんに尊敬しているクリエイターです。
≫ sinwagraphic.com
 

この街のクリエイター博覧会2025

この街のクリエイター博覧会は、公益財団法人大阪産業局が運営しているMebicが2024年から開催しはじめた、クリエイターのイベントです。大阪府下で活動しているクリエイターと、Mebicとつながりを持っている海外のクリエイター支援団体が参加するイベントで、クリエイターが作品や活動を広く知ってもらうためのイベントです。その2回目の開催となったのが「この街のクリエイター博覧会2025」で、2025年6月6〜7日に、マイドーム大阪で開催されました。
≫ この街のクリエイター博覧会2025
 

クライアントの要望

この街のクリエイター博覧会では、イベントの案内や告知をするためにチラシ、ポスター、WebとSNS用の画像を制作していて、それを外賀さんが担当しています。2025年の制作について、外賀さんとMebicの担当者さんが打ち合わせしている中で、2025年は動画も制作したいということになったそうです。そこで、外賀さんが私のことを覚えていて、UGO MOTIONに制作の依頼がやって来ました。
 
外賀さんは私が尊敬するクリエイターで、いつか外賀さんの制作を手伝えることがあったらいいなと思っていたので、制作については制作料金の確認だけでOKしました。外賀さんも、Mebicの担当者さんも、動画制作の依頼をするのは初めてということで、どのようなモーショングラフィックスにしたいのかという具体的な要望はありませんでした。なので、印刷物と静止画は外賀さんが担当するので、その世界観をうまく活かして、アニメーションを制作してほしいというのが、制作の要望となりました。
 
この街のクリエイター博覧会2025 PV / モーショングラフィックス制作実績の画像01

企画立案
PLANNING

企画の課題

外賀さんに「この街のクリエイター博覧会2025」のデザインの意図や考えをヒアリングしたところ、出発点としてクリエイターの職種名を英語と日本語で組み合わせても、意外と普通に読めるところに着目したとの話をいただきました。次に、それらの職種名に動きを感じさせたい、重力を感じさせたいとなって、このようなデザインになったという話をいただきました。
 
職種名がバラバラに並んでいる場面については、物理運動をシミュレーションできるプラグインを使えば、画面の上から職種名が落ちてきて、印刷物や静止画のような表現が可能であると判断しました。その制作方針を伝えると、外賀さんから「そんなことができるの!」と喜んでもらえたので、そのままの方針で進めることにしました。
 
課題となったのは、上から職種名が落ちてくるだけでは、20秒の時間が余ってしまうので、そこでどんなアニメーションを制作するかでした。アニメーションの冒頭と後半の2回、物理ミシュレーションを使うとして、他の場面でも物理アニメーションを使うと、全体が似たような展開になり、視聴する人が飽きてしまいます。
 
この街のクリエイター博覧会2025 PV / モーショングラフィックス制作実績の画像02

 

課題克服の考え方

そこで私が外賀さんに提案したのが、登場する職種名に合わせて、違う種類のテキスト・アニメーションを制作して、それを連続させるのはどうでしょう? 職種名が多いので、冒頭と終盤の間に入れると、テンポが速くなり、視聴者を退屈させずに終盤まで視聴してもらえるのでは、という提案でした。外賀さんからは、それがどんなアニメーションになるのか、イメージできないという懸念の声が上がりました。しかし、それ以外に良いアイデアが出なかったので、とりあえずテスト版を制作してみて、それで修正をかけていくという方針になりました。
 

企画のコンセプト

外賀さんが印刷物と静止画で表現しようとしている動きと重力感を、モーショングラフィックスでも表現すること。

制作作業
PRODUCTION

デザイン & レイアウト

印刷物と静止画で使われている職種名の文字は、日本語フォントと、外賀さんが書いた文字を組み合わせているものでした。なので、文字の制作については、Adobe・Illustratorで外賀さんに制作してもらい、こちらでレイヤーなどの要素を分解して、アニメーションの素材としました。
 
この街のクリエイター博覧会2025 PV / モーショングラフィックス制作実績の画像03

 

アニメーションの制作

冒頭と終盤で、職種名が上から落ちてきて、バラバラに積み上がっていく場面は、After Effectsのプラグインである「Newton 4」を購入して、あれこれ学んだ上で制作しました。物理シミュレーションを可能にするプラグインなので、職種名の位置や回転、物理現象のパラメーターを何度も変更して、シミュレーションを行いました。その結果、良い感じで職種名が積み上がるアニメーションを制作できました。
 
この街のクリエイター博覧会2025 PV / モーショングラフィックス制作実績の画像04

 
それぞれの職種名のアニメーションの制作では、当初、SNSなどで受けることを狙って、刺激が強めのテキスト・アニメーションを制作しました。それをテスト版として、外賀さんとMebicの担当者さんに確認してもらったところ、刺激が強すぎて、印刷物や静止画とトーン&マナーが違っているように感じるとの反応になりました。
 
なので、刺激を控えめにして、デザインのトーン&マナーを崩さない範囲でのテキスト・アニメーションになるように、大きな修正を加えました。次のテスト版では、外賀さんもMebicの担当者さんも、ちょうど良いように感じるとのこと反応になりました。そのまま制作を進めて、モーショングラフィックスを完成させました。
 
この街のクリエイター博覧会2025 PV / モーショングラフィックス制作実績の画像05

スケジュール
SCHEDULE

今回の制作では、他の重要案件と、専門学校の講師業と並行して、制作を進めることになりました。イベントが始まる1週間前には、納品する必要があったので、精神力と集中力がかなり消耗しました。ただ、完成したモーショングラフィックスを外賀さんがとても褒めてくれたので、個人的にとても満足しています。来年も同じイベントがあるようであれば、再び制作できたら嬉しいなと思っています。
 

具体的な日程

2025年04月序盤 = 外賀さんから電話で制作の相談
2025年04月中盤 = 外賀さん、Mebicの担当者さんと打ち合わせ
2025年04月終盤 = 制作素材が届いて、アニメーション制作開始
2025年05月序盤 = トーン&マナーを合わせるため、大きく修正
2025年05月終盤 = 最終確認がOKとなり、複数の動画ファイルを納品
2025年06月6〜7日 = この街のクリエイター博覧会2025などで公開

モーショングラフィックス
ウゴモーション

具体的に検討したい...

HOME | 制作実績・WORKS | この街のクリエイター博覧会2025 PV