クライアント
CLIENT
一般社団法人 痴漢抑止活動センター
一般社団法人 痴漢抑止活動センターは、ウゴモーションを運営している私の友人である松永弥生さんが、2016年1月に立ち上げました。痴漢抑止活動センターの目的は、教育を通じ誰もが安心安全な車内を実現し、性犯罪を許さない社会の実現に寄与することです。
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痴漢抑止バッジデザインコンテスト
≫ 缶バッジで痴漢を未然に防ぐ~痴漢抑止バッジ
クライアントの要望
プラスして、具体的な要望がありました。1つ目は、モーショングラフィックスのターゲットとなるのは中学生、高校生、大学生、専門学校生などの学生たちであることでした。2つ目は、モーショングラフィックの目的は、学生たちが痴漢について具体的に学べるようにすることでした。3つ目は、注意点として、痴漢という性犯罪について、学生たちが大きな嫌悪感を抱かずに理解できるようにすることでした。
企画立案
PLANNING
今回のプロジェクトでは、当初から多くの課題がありました。
企画の課題 その1
今回のアニメーション制作で最初の課題となったのが、クラウドファンディングで資金を集めることに成功するのか失敗するのか、結果が分からないことでした。しかし、資金を集めることに成功するためには、クラウドファンディングのユーザーたちに、どんなアニメーションを制作しようとしているのか、具体的に提示する必要があります。
準備が必要なのは、アニメーションの制作だけでなく、クラウドファンディングを開始して展開していくのにも多くの準備が必要です。つまり、資金を集めることに成功するかどうか分からないアニメーションのために、どこまで準備をするのか、リスク判断をすることが最初の課題となりました。
企画の課題 その2
次に課題となったのが、松永さんが具体的なプランを何も持っていないことでした。松永さんは、学生たちに痴漢について理解してほしい、学んでほしいという強い要望は持っていましたが、どんな内容をどんな表現で描いてほしいのか、具体的な考えは持っていませんでした。
つまり、アニメーションを制作するためには、痴漢についてどんな内容をどんな表現で描くのか、ゼロから作っていく必要がありました。どんなクリエイターでも同じだと思うのですが、ゼロからプランを考えて、内容を構築していくのは簡単ではありません。
企画の課題 その3
次の課題となったのが、アニメーションのプランを考えることになる私が、痴漢についての知識がゼロだったことです。ウゴモーションを運営している私は、痴漢したこともなければ、痴漢されたこともありません。なので、学生たちが具体的にどのような痴漢行為にあっているのか、被害にあった学生たちがどれほど傷つくのかなど、痴漢についての知識をまったく持っていませんでした。
知識をまったく持っていないことは、課題であると同時に、プランを考える上で利点にもなります。ほとんどの場合、クライアントはその道の専門家であり、知りすぎているために、知らない人との知識のギャップを理解することができません。今回の場合、私が痴漢についての知識をまったく持っていなかったので、知らない人の視点でプランを考えることができることが可能でした。
企画の課題 その4
しかし、具体性やリアルさが存在しなければ、抽象的な内容になってしまい、学生たちに痴漢について学んでもらうという目的を達成することができません。具体的でリアルでありながら、大きな嫌悪感を感じさせない。そのためにはどのように内容を構成し、どんなデザインや表現で、どんなアニメーションが良いのか?
これについては、アニメーションが完成するまで、チーム内で多くの議論が巻き起こるほど難しい課題となりました。
課題克服の考え方
課題克服の考え方については、あくまで今回のブロジェクトの場合というものになります。すべてのプロジェクトで、この課題克服の考え方でやっていては、ウゴモーションの仕事がパンクしてしまう可能性があるからです。
課題克服の考え方 その1
クラウドファンディングでの資金集めが、成功するか失敗するか分からないという課題については、なにがなんでも資金集めを成功させる!という考え方で、克服しました。「背水の陣」という故事と同じように、成功するためにできることは、なんでもするという覚悟を決めました。
なぜそこまで覚悟を決めたかというと、私が「今回のプロジェクト、メチャクチャおもしろそうだな!」と感じたからです。他のアニメーション制作の仕事なども確保していたので、今なら無茶なプロジェクトに挑戦できると判断しました。
プラスして、社会貢献活動をしている海外のNPOなどでは、自分たちの活動を知ってもらうために、アニメーション動画を活用することが普通になっていたからです。これは、海外の優れたNPOは活動資金が潤沢で、マーケティングや、ブランディングに大きな資金を使うことができるという事情もあります。
海外の事例などから考察してみるに、アニメーション動画と、NPOなどが行なっている社会貢献活動の相性は、とても良いです。なので、ウゴモーションとしては、日本でも社会貢献活動にもっとアニメーションが活用される未来を見据えて、今回のブロジェクトをぜひ成功させたいと思いました。
課題克服の考え方 その2
ゼロからプランや内容を考える必要があるという課題については、クライアントと協力しながら、私がゼロからすべてを構築することで克服しました。
ウゴモーションの仕事はアニメーション動画を制作することですが、アニメーションだけを制作しているわけではありません。実際には、クライアントと協力しながら企画段階からプランや内容を考えることが多いですし、それを得意にもしています。
なので、今回のブロジェクトでは、クライアントである松永さんの要望や考えをより具体的にヒアリングしながら、アニメーション動画のプランと内容を構築していくことにしました。
課題克服の考え方 その3
アニメーションを制作する私が、痴漢についての知識を持っていない課題については、クライアントである松永さんから大きな学びとなる書籍を借りて、とにかく勉強することで克服しました。
書籍を読んで疑問に感じた点、分からなかったところについては、専門家である松永さんに質問したり、議論したりすることで、理解するように努めました。私に痴漢についての知識がないということが、知らない人の視点から大切なポイントはどこなのか、理解するのには役立ったような気がします。
しかし、いくら書籍を読んでも足りなかった点があるとすると、痴漢被害を受けた人たちの心情や感覚のところでした。書籍を読んで、心情や感覚についてある程度は共感できるものの、やはり実際に被害にあった人たちの心情や感覚を、リアルに理解できるわけではありません。
「痴漢被害にあった人の気持ちが分かっていない!」というのは、アニメーションの制作中に、たびたび指摘されたことでした。ただ、学生に知識を学んでもらうという目的を達成するには、内容や表現について客観的に判断できる人間が必要だったと思います。
今回のプロジェクトでは、私が客観的に判断するのに適任だったと思うので、「痴漢被害にあった人の気持ちが分かっていない!」という指摘には、ずいぶん困惑しましたし困りました。
課題克服の考え方 その4
痴漢という性犯罪について、学生たちが大きな嫌悪感を抱かずに学べるようにするには、どんなデザインや表現が良いのかという課題については、ウゴモーションとは別に、グラフィックとデザインができるクリエイターに参加してもらうことで克服することにしました。
今回のプロジェクトで、私がもっとも懸念して心配していたのが、この点でした。残念ながら、現在のウゴモーションのグラフィックとデザインの能力では、学生たちが嫌悪感を抱かないデザインや表現を実現するのが難しいと感じていました。
なので、今回のブロジェクトに共感して、ぜひとも協力したというクリエイターを募集することにしました。こうすれば、募集してくれたクリエイターから、もっともピッタリなデザインと表現を制作できる人を選べるし、プロジェクトの中心メンバーを、松永さんと私の2人から、新たなクリエイターをふくめた3人に増やすこともできます。
企画のコンセプト
学生に知ってほしい痴漢の真実
制作作業
PRODUCTION
追加クリエイターの選定
先に「課題克服の考え方 その4」のところでも書いたように、今回のブロジェクトでは、グラフィックスとデザインができるクリエイターを探すことにしました。
どのように捜したかというと、大阪市にある大規模なクリエイターのネットワークを活用して、広く募ることにしました。大阪市には「クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック」というクリエイティブ産業振興施設があります。
このメビックには、多くのクリエイターが登録していて、イベントに参加したり、情報交換をしたり、仲間を探したりしています。そして、登録しているクリエイターは、メビックのメーリングリストにメールを送ることができるようになっています。
そこで、今回のブロジェクト概要を説明した上で、求めるクリエイターを募集するメールを、メビックに登録している多くのクリエイターへ送りました。その結果、10人以上のクリエイターから応募があり、その中から松永さんと私でクリエイターを選ぶことになりました。
選んだのは、どんなクリエイター?
私と松永さんが選んだのは、「増喜設計室」を運営している増喜 尊子さんというクリエイターでした。増喜さんのグラフィックスとデザインは、色彩がとても印象的で、物体や概念を少しばかり抽象的に描くことができていました。
増喜さんであれば、学生たちが大きな嫌悪感を抱かずに、痴漢について学ぶことができる。というのが、私と松永さんの一致した意見でした。以下に増喜さんのWebサイトのリンクを貼っておくので、他にどんな作品を作っているのか気になる人は、ぜひ見てみてください。
≫ Graphic Designer, Tokyo | 増喜設計室 MASUKI DESIGN
制作のアプローチ
アニメーションへのアプローチとしては、まず松永さんと議論しながら、学生に知ってほしい痴漢の真実とは何か? を決めるところから始めました。痴漢抑止活動を続けてきた松永さんには、痴漢について、学生に知ってほしいことが無数にあります。なので、議論のポイントは、知ってほしいことの中から、学生にとって本当に重要なことだけを絞ることでした。
ある程度は絞ることができたので、次にしたのが、アニメーションのナレーション原稿を作ることでした。この時点で、痴漢の真実については、「痴漢の定義」「どんな人が痴漢をするのか」「痴漢から身を守る方法」「まとめ」の全4幕でアニメーションを構成することが決まっていました。
ナレーション原稿の制作では、文章の内容はもちろん、ひとつひとつの言葉遣いにいたるまで、徹底的に議論しました。そこまで議論が必要だったのは、アニメーションのコンセプトが「学生に知ってほしい痴漢の真実」だったからで、痴漢の真実を正しく理解してもらうために、言葉が持っている細かなニュアンスまでふくめて議論が必要でした。
あと、ナレーション原稿の制作で大変だったのは、アニメーションの時間の中に、どのように内容を詰め込むかという点でした。これは今回のプロジェクトに限ったことではないのですが、ほとんどのクライアントは、少しでも多くの内容をアニメーションに詰め込みたいと考えます。
制作資金と制作時間が無限にあるのであれば、それも可能なのですが、実際にはどちらも限られています。なので、限られた資金と時間の中で、目的を達成するための工夫や大胆な削除をする必要があります。となると、重要ではない箇所を削ることになるのですが、これがなかなか納得が得られなくて大変でした。
絵コンテ
アニメーションの絵コンテは、まずグラフィックとデザインを担当する増喜さんの表現やアイデアを活かすことが重要でした。なので、ナレーション原稿をもとに、ざっくりしたイメージを描いてもらいました。
次に、増喜さんのイメージ画をもとに、私が絵コンテを描いていきました。絵コンテは大まかな場面ができるたびに、松永さんと増喜さんに見せて、さまざまな議論をしました。伝えたい内容が、学生たちに理解できるようになっているか? 誤解を産むような表現になっていないか? など細かいところまで詳細に検討しました。
具体的にどんな絵コンテを描いたのか、以下のリンクで各幕ごとに紹介しているページがあるので、興味があれば見てみてください。
≫ どんなアニメーションを制作するのか? 第一幕の修正 READYFOR
≫ どんなアニメーションを制作するのか? 絵コンテ第二幕 READYFOR
≫ どんなアニメーションを制作するのか? 第三幕の修正 READYFOR
≫ どんなアニメーションを制作するのか? 絵コンテ第四幕 READYFOR
キャラクター
アニメーションに登場するキャラクターは、グラフィックとデザインを担当する増喜さんに制作してもらいました。増喜さんが描くキャラクターの特徴は、顔に目・眉・鼻・口などがなく、全体的に抽象的なイメージになるところでした。
私から増喜さんに注文したことは、キャラクターの感情を表現する場面がいくつかあるので、それを伝えられるように口を作ってほしいということでした。人間の感情を表現するためには、目の開閉・眉のフォルムと角度・口のフォルムと角度・視線の方向・顔の角度と方向を、どのようにコントールするかが重要になります。
増喜さんが描くキャラクターの特徴だと、顔の角度と方向でしか感情を表現することができません。これだと、キャラクターの感情を伝えるのが難しいので、口を作ってもらうことにしたわけです。
増喜さんにとって大変だったこと?
1つのプロジェクトで、ここまで多くのキャラクターを作るというのは、増喜さんにとっては初めての経験だったそうです。髪型をどうするか、服の色彩をどうするかなど、かなり苦労したとのこと。素晴らしいキャラクターたちを作ってくれた増喜さんには、多くを要求したことを反省するとともに、大変に感謝しています。
デザイン & レイアウト
ここで、私がアニメーションでの色彩設計はこうすれば良いよと、的確なアドバイスや指示ができていれば良かったのですが、当初の段階ではそれがうまくできませんでした。なので、増喜さんに遠回りをさせてしまったように思います。
増喜さんのテスト案が見るうちに、モーショングラフィックスにおいて、どのように色彩を考えれば良いのか、最低限は言語化できるようになりました。それを増喜さんに伝えた上で、場面ごとの色彩について議論したことで、ようやく色彩設定がうまく進むようになりました。
具体的なデザインとレイアウトについては、私のほうで具体的な設計図を作っていたので、大きな問題などは起こりませんでした。増喜さんから納品されるファイルを見るたびに、素晴らしいデザインだなと感嘆することしきりでした。
アニメーションの制作
作業量が多くなった1つ目の要因は、登場するキャラクターが多すぎたことです。自分で絵コンテを考えて、納得した上でキャラクターの制作をお願いしたので、すべて自分の判断ミスだったと思うのですが、ちょっとキャラクターが多すぎました。
今回のプロジェクトでは、キャラクターをアニメーションさせるために、Adobe After Effectsというアプリケーション内で、すべてのキャラクターにリグを組んでいます。「リグを組む」というのは、キャラクターを自在に動かすための仕組みを構築することで、もともと3DCGの世界が生まれた言葉です。
リグを組むことは、得意なほうの作業だとは思うのですが、リグが必要となるキャラクターがあまりに多くて、かなり大変でした。
作業量が多くなった2つ目の要員は、キャラクターにポーズをつけたり、アニメーションを加えたりする作業が、あまり多かったからです。おまけに、今回のアニメーションでは、痴漢という性犯罪について描いているので、学生たちに誤解を与えず、内容を正しく伝えられるように細心の注意を払って作業する必要がありました。
キャラクターが多いから、場面が多いからという理由で、あまりに貧弱なアニメーションばかりだと、ウゴモーションの評判を落としかねません。なので、締切りを守りながら、自分の心身の健康を保ちながら、可能なかぎりオモシロいアニメーションを作るという厳しい道を進むことになりました。
スケジュール
SCHEDULE
今回のプロジェクトでは、クラウドファンディングありきの制作だったので、ここではクラウドファンディングの日程こみで、具体的なスケジュールを紹介していきます。
具体的な日程
2019年12月
一般社団法人 痴漢抑止活動センターの松永さんから、クラウドファンディングで資金を集めることを前提に、アニメーション制作の相談を受ける。
2020年01月
クラウドファンディングでの支援集め、アニメーション制作の準備開始。同時に、追加で入ってもらうクリエイターを、メビックのメーリングリストにて募集する。
2020年02月
クラウドファンディングの開始日を、2020年04月01日と決定。応募のあったクリエイターの中から、増喜さんを選定して、チームに参加してもらう。
2020年03月
初期段階の絵コンテ(最終段階の絵コンテよりももっと大雑把なもの)が完成。クラウドファンディングで展開するYouTube動画の撮影・編集なども制作していき、着々と準備が進む。
020年03月13日
国会にて「新型コロナウイルス対策の特別措置法」が成立。
2020年03月31日
1回目の緊急事態宣言が出る可能性が高まったのを受け、チーム内で緊急ミーティングを行い、クラウドファンディングの開始を延期することを決定。
2020年04月07日
東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に、1回目の緊急事態宣言が出される。
2020年04月16日
緊急事態宣言が、全国へ拡大される。
2020年06月
READYFORにて、新型コロナウィルス関連のクラウドファンディングが急増したため、「学生に知ってほしい痴漢の真実」の開始日が未定になる。
2020年08月
私と松永さんでミーティングを行い、READYFORと改めて協議して、クラウドファンディングの開始日を調整開始。同時に、私を中心にして、絵コンテを最初からブラッシュアップする作業を開始。
2020年09月
クラウドファンディングの開始日が、2020年10月05日に決定。社会的には、新型コロナウィルス関連の話題ばかりだったので、かなり困難な支援集めになることが予想された。なので、4月1日開始の時より、さらに入念な準備を進める。
2020年10月05日
READYFORにて、「学生に知ってほしい痴漢の真実 : アニメーション制作プロジェクト」での支援集めが開始される。この日から、怒涛の1ヶ月半が始まる。
2020年11月
メビックのメーリングリストにて、クラウドファンディングの開始をお知らせしたところ、志水 恵美さんというクリエイターから、ぜひ制作に協力させてほしいとのメールが届く。チーム全員で協議して、チームに加わってもらうことになる。
2020年11月20日
目標金額を達成して、クラウドファンディングが終了する。同時に、グラフィック班とアニメーション班のアニメーション制作が開始される。
2021年01〜02月
都市部において、2回目の緊急事態宣言が出される。
2021年02月
別件のアニメーション制作のお仕事で、ウゴモーションの制作が停滞気味になる。制作は、増喜さんと志水さんのグラフィック班がメインになる。キャラクターや電車の内装・外装など、アニメーションの中心となるもののデザインと制作が進む。
2021年04月
使用頻度の高いキャラクターの納品が次々と行われ、ウゴモーションでは連日のようにキャラクターのリギング作業が行われる。素材ファイルをAdobe After Effectsに読み込んでのレイアウト作業も進む。
2021年04月25日
都市部において、3回目の緊急事態宣言が出される。
2021年05月
素材ファイルがそろった場面から、アニメーションの制作が開始される。ある程度アニメーションができるたびに、テスト動画をアップして、チーム内でチェックと検討を繰り返す。
2021年07月01日
READYFORで支援をしてくれた人たち向けに、完成したアニメーション動画(Vol.1)が公開される。が、制作時間が足りなくて、多くの場面でアニメーションが良くなかったり、表現がわかりにくい場面があったので、引き続き、修正版を制作することが決定。
2021年07月12日
都市部において、4回目の緊急事態宣言が出される。
2021年07月25日
多くの場面を追加修正した「学生に知ってほしい痴漢の真実」Vol.2が完成して、最終チェックを受けて、無事に納品される。
2021年07月26日
Zoomにて、公開記者発表を行うが、機材トラブルに見舞われ、グダグダになる。同時に、この日で松永さん、増喜さん、志水さん、私の4人チームが解散となる。
アニメーションの活用
完成した「学生に知ってほしい痴漢の真実」のアニメーション動画は、松永さんが運営している一般社団法人 痴漢抑止活動センターのYouTubeチャンネルにて広く公開されている。また、毎年開催されている「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」では、痴漢について学ぶための学習素材として、動画を視聴することがオススメされる。
今回のプロジェクト、松永さんの強力な広報活動のおかげもあって、BuzzFeedにて「学生に知ってほしい痴漢の真実」アニメーション動画が作られた理由という記事にしていただいた。おまけに、この記事がそのままYahoo! ニュースでも掲載されて、多くのコメントを集めることとなっている。
個人的には、今回のプロジェクトでは、学生のために理解しやすくて役立つアニメーション動画を制作することができたと強く感じている。
現在の世界は、誰もが動画を作ることができ、誰もが注目を集めようと躍起になっている時代である。この動画にどれだけの社会的意義があったとしても、それだけの理由で多くの視聴数を稼ぐことは簡単ではない。
なので、「学生に知ってほしい痴漢の真実」というアニメーション動画が、短期間に注目を集めて、爆発的に視聴者数を伸ばすという夢物語が起こる可能性はないと思っている。
ただ、どれだけ日本で少子化が進もうとも、毎年多くの子供が生まれ、彼ら彼女らは学生になる。そして、都市部に実家がある多くの学生は、電車などの公共交通機関を使って、毎日のように通学をする。そんな学生たちにとって、「学生に知ってほしい痴漢の真実」はとても役立つコンテンツとなる。
今回のアニメーション動画は、短期的に爆発的に視聴者数を伸ばすことはないだろうけれど、毎年のようにジワジワ視聴者数を伸ばしていくことになるだろう。長い長いロングテールの先に、どんな未来が待っているのかは分からない。
私が確信しているのは、「学生に知ってほしい痴漢の真実」が多く学生に知識というきっかけを与えて、知識を武器にも防具にもして、自分を守ったり、誰かを守ったりできるようになる未来がやって来るということだけである。
クレジット
Social Activist : 一般社団法人 痴漢抑止活動センター 代表理事
Yayoi Matunaga 松永 弥生
≫ 一般社団法人 痴漢抑止活動センター
Graphic Designer : 増喜設計室 MASUKI DESIGN
Takako Masuki 増喜 尊子
≫ 増喜設計室 MASUKI DESIGN
Graphic Designer : mizukocoro
Megumi Shimizu 志水 恵美
≫ 志水恵美イラストサイトmizukocoro
Motion Graphics : ウゴモーション UGO MOTION
Naoto Ono 小野 直人
≫ ウゴモーション / モーショングラフィックス企画制作
Crowdfunding : READYFOR
≫ クラウドファンディング - READYFOR(レディーフォー)
≫ 学生に知ってほしい痴漢の真実:アニメーション制作プロジェクト